想いをかたちに
「あなたの隣人をあなたあなた自身のように愛せよ」有名な聖書のことばです。
東北の震災などでも支援金を送ったりしたことはありますが、この2018年7月豪雨災害が小さい教会の牧師として聖書から「愛」を語る機会が多いわたしの人生に本格的に災害支援に関わるきっかけとなりました。
2018年7月、わたしの住んでいる岡山市も各地で浸水被害のニュースが流れ、もう少しで一級河川が決壊というところまでの危機感を感じていた中で、隣の市である倉敷市で大規模な水害が真備町で発生しました。近隣の市町村でも水害による被害が出ており、本当に大変な状況がありました。
「愛」というのはこどばだけでなく行動も伴うもの、そのように日々語り、自分の街のゴミ拾いボランティアなども行っていましたが今動かなくてどうするのかという想いから、必要な物資を確認し、高梁市や矢掛町など報道の影に隠れて支援が行き届いていないところから物資支援を呼びかけさせていただきスタートしました。
5人の子育てをしている父としてこども達のお世話や遊び相手なら出来ると即決し、ボランティア受け入れのための準備を多くの方の助け、アドバイスをいただいて整え、いのりんジャパンを設立しました。
そこから人から人へとつながりが与えられ、真備町で被災したこどもたちの支援のお手伝いをする機会に出会いました。
このいのりんジャパンという名称は岡山市を走る巡回バス「めぐりん」というものからひらめき、こどもたちに関わる取り組みだからやわらかい名称がいい。そんな想いからいろいろと調べて英語でもINOLINというのは風邪薬にはいっている成分のひとつということも分かり、祈るような心で人と人とがつながり、少しでも弱っている方が元気になっていただけたらという想いで名付けました。
被災地支援を展開する中で過去に経験していた職人として炎天下で作業する時のやり方やスコップや道具の使い方、病院で看護助手をしていた時の経験から衛生管理の大切さ、清掃業でバイトをしていた時の経験などが生かされていくことを経験しました。その中には自分の中で無駄だったこと、周り道だったことと思っていたことも含まれていました。
生かされるのは技術的なことだけではなく、痛みを知る人は人の痛みを理解し、寄り添うことが出来ます。
誰しも辛い経験や痛みは経験したくはないでしょう。
しかしそういう悲しい出来事が思いがけないタイミングで降りかかってくることは現実として起ることがあります。
そのような時を乗り越え、痛みを痛みではなく糧にして流し出すためには、時には助けも必要です。
困った時はお互い様とは本当にその通りのことばだと思います。
困っている人を見て他人事ではなく自分事として考え、そしてひとりのちからでは足りなくても
みんなのちからを合せれば大きな力につながることを災害支援を続ける中で体験しました。
これからもひとりひとりが生かされ、輝くことが出来るような活動、より細やかな配慮の行き届いた活動を心がけ、地域社会に貢献出来るよう歩んでまいります。
いのりんジャパンは皆様の想いをかたちにしておつなぎしてまいります。
いのりんジャパン代表 石原靖大
石原 靖大
INOLIN JAPAN(いのりんジャパン)代表
プロフィール
1974年生まれ、三男二女の父、10代の頃より職人、営業、看護助手、倉庫管理などの仕事に関わる。2005年より岡山ジョイフルプレイズチャーチを開拓開始、現在も牧師として愛と希望を語り続けている。
災害支援の現場で多くの経験は生かされたがより的確な支援につなげるため、防災士、ボランティアコーディネーション力2級、小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育を修了。